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【小惑星 1998 OR2 最接近】 *写真はイメージです。
(出典 sorae.info)
Rolando Marin / Pixabay
太陽系はブラックジョークが好きなようだ。2029年4月、大型の小惑星が地球に最接近するのである――その日は13日の金曜日だ。小惑星は「アポフィス」という。
闇と混沌を象徴する古代エジプトの邪神アペプにちなんだ名で、その日、幅340メートルのそれが地球から3万1000キロの距離をかすめていく。
小惑星アポフィスはアテン群に属する地球近傍小惑星の一つ。2004年6月に発見された。地球軌道のすぐ外側から金星軌道付近までの楕円軌道を323日かけて公転している。
不吉な符合ばかりが目につくが、科学者によれば、衝突する心配はないそうだ。むしろ、地球に接近する小惑星について理解を深める千載一遇のチャンスなのだとか。
アポフィスは肉眼で観察できるほど明るく、千年に一度の観測のビッグチャンスだというのだから、科学者の興奮も頷けるというものだ。
到来までにはたっぷりと10年の猶予がある。つまり、その間、科学者たちはこの機会に何を調べるべきかじっくりと考えたり、観測機器や宇宙船を用意したりと、いくらでも準備ができるのである。
Path Along Earth Where Apophis Astroid Will Be Visible on April 13, 2029
2029年にアポフィスが地球に衝突する可能性は低いとされているが、だからといって、それが万に一つもないというわけではない。
仮に衝突してしまった場合の衝撃は、TNT爆薬510メガトンに相当するとされ、そのリスクゆえにアポフィスは「潜在的に危険な小惑星」に分類されている。
地球の周辺にはこうした小惑星がいくつも漂っており、惑星の防衛にたずさわる専門家たちは、これらの動向に常に目を光らせ、いざ危険が迫ったときに最悪の事態を未然に防ぐ方法を研究している。
アポフィスはこの点においても重要だ。というのも、それがこれまでに特定された潜在的に危険な小惑星の8割と似ていると考えられているからだ。
アポフィスから集められたデータは、ほかの小惑星についても応用できるのである。
小惑星アポフィス
アポフィス接近までに検討すべきトピックはすでに提案されている。これらは、人類自身の利益と太陽系の純粋な理解という2つの要求を満たすものだ。
一例を挙げるなら、アポフィスの内部構造の調査がある。
これは万が一、小惑星を破壊したり、その軌道を逸らしたりしなければならない事態に直面した場合に、決定的に重要な情報である。
それと同時に、アポフィスが形成されたときの状況を知る手がかりにもなるだろう。
もう1つの重要なトピックが、地球の引力や太陽の放射線がアポフィスの軌道をどのくらい歪めるか? というものだ。
後者の現象は、「ヤルコフスキー効果」と呼ばれ、小惑星の表と裏に温度差が生じることで起きる。
最接近の最中にアポフィスに送り込まれる探査機も検討されている。
NASAの火星探査機インサイトによる地震計の設置、キューブサット(小型人工衛星)として初の惑星間飛行に成功したマーズ・キューブ・ワン、あるいは小惑星からのサンプル採取を試みるNASAオシリス・レックスやJAXAはやぶさ2など、近年、この分野では大きな進歩が見られている。
こうしたミッションからの知見はいずれも、アポフィスに送られる探査機の設計にあたって検討される。
たとえばA機とB機が打ち上げられたマーズ・キューブ・ワンのように、キューブサットのペアを利用することなどが提唱されている。
銛のような装置を利用してアポフィスに地震計を設置するというアイデアもある。これによって小惑星の微細な振動を拾い上げることができれば、内部構造や地球の重力の影響を知るヒントになるだろう。
ほかにも、日本のJAXAの探査機はやぶさ2が小惑星「リュウグウ」でやったように、アポフィスにクレーターを作り、内部構造を調べるというやり方もある。
だが、言うまでもなく、こうした調査は、現時点では安全なアポフィスの軌道を乱してしまわないよう細心の注意を払って行われなければならない。
NASAをはじめとする宇宙機関にとって、これは調査研究を進められる千載一遇のチャンスであると同時に、一般の人たちに宇宙への関心を持ってもらうための絶好のPRのチャンスでもあるのだ。
そのようなビッグチャンスが最悪の事態になってしまっては元も子もないのである。
References:sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:
え? もう10年も経ってたっけ?
「はやぶさ」が命懸けで持ち帰ったサンプルからどんな宇宙の新事実がもたらされるのか、当時ワクワクしていた人でも、今はそっちに衝撃を受けている人の方が多いかもしれない。
そんなイトカワのサンプル分析結果から新たな事実が発表されている。
それによると、小惑星の微粒子からは地球の岩石とほぼ同程度の濃度で、水素の同位体が含まれていることがわかった。これは小惑星の含む水が、地球の水の起源になっていた可能性を示唆している。
この研究は、アリゾナ州立大学の研究者より発表され、2019年5月1日付けのScience Advances誌に掲載されている。
「はやぶさ」は2003年5月9日に宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機だ。その「はやぶさ」に課せられたミッションは、地球から3億km離れた小惑星イトカワへ赴き、表面から砂のサンプルを採取して地球へ帰ってくるという、人類史上初となる困難な挑戦だった。
「はやぶさ」がイトカワへたどり着いたのは地球を旅立って2年後のこと。そしてサンプルを手に地球へ帰還したのは出発から実に7年後のことだ。
小惑星の表面には、太陽系初期の重要な情報がたくさん含まれている。地球に落ちた隕石は大気圏突入の衝撃で堆積物が吹き飛んでいるので、「はやぶさ」がイトカワから採取した微粒子は地球上では得ることのできないとても貴重なサンプルなのだ。
地球は表面のおよそ70%近くが水(海)に覆われた非常に水の豊富な惑星だが、この大量の水はどこからもたらされたのかという点については多くの謎が残されている。
原初の太陽系や生まれたばかりの地球は高温に包まれており、この時点では水も水蒸気も太陽風に吹き飛ばされている。そのため大量の水が最初から地球に存在していたとは考えにくいのだ。そうなると、水は太陽系が冷えた後に外からもたらされた可能性がある。
地球への水の供給についてはいくつか理論があるが、現在有力な説は、水を含んだ隕石が地球に水を運んできたという考え方だ。この事実を証明するためには、地球の水と隕石(小惑星)の岩が含む水が同じ化学的特徴を持っていることを示す必要がある。
水の化学的特徴が同じであることを示すためには、重水素(中性子が2つある重い水素。水素の同位体ともいう)と普通の水素が同じ比率で含有されていなければならない。
今回、アリゾナ州立大学の研究チームが発表した内容は、イトカワの微粒子に含まれる水素の同位体の濃度が、地球の岩石とほとんど見分けがつかないレベルで同じだったというものであり、つまり地球の水は宇宙を飛来する小惑星からもたらされた可能性を示唆する事実となるのだ。
今回の分析報告は、ただ一つの小惑星イトカワのごく僅かな微粒子の分析結果に過ぎない。地球の水の供給源について、非常に重要な事実に一歩近づいたことは確かですが、すべての謎を解明するまでには道のりが遠いようだ。
「はやぶさ」の小惑星サンプルリターンミッションの成功に続き、2014年12月3日には小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへ向けて、2016年9月8日にはNASAの小惑星探査機「オシリス・レックス (OSIRIS-REx)」が小惑星ベンヌへ向けて調査の旅に出ている。
これらの調査研究もまた、私たちに新たな事実を持ち帰ってくれることだろう。
Point
■NASA長官が「今後60年以内に地球に大きな被害を与える小惑星がやってくる」と指摘
■過去の隕石衝突の記録を分析すると、60年周期で落下していることが判明
■現在NASAは、小惑星に「インパクター」を高速でぶつけて軌道を変える「DART計画」を進行している
「審判の日」は近いか…
NASAのジム・ブライデンズティーン長官は、今週月曜、ワシントンで開催された「地球防衛会議(Planetary Defense Conference)」にて「地球に壊滅的な被害を与える小惑星が今後60年以内にやってくる」と驚きの発言をした。
同氏は「これはハリウッド映画でもなんでもない。直ちに小惑星衝突に対する防衛を強化するべきだ」と続けている。
NASAは今後、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)などと協力して、小惑星衝突のシミュレーションおよび防衛訓練を進める予定だ。
演説を行うNASAのジム・ブライデンズティーン長官
ブライデンズティーン長官によると、小惑星の衝突は平均して60年周期で起こっており、過去100年間だけでも3度の落下が記録されているそうだ。
中でも2013年に起きた「チェリャビンスクの隕石落下」は記憶に新しい。
これはロシア・チェリャビンスク州付近に隕石が落下し、空中で大きな爆発を起こした事件である。記録では「ツングースカ大爆発」以来最大の隕石落下で、爆発の威力は広島に落とされた原子爆弾の20〜30倍に匹敵するという。
爆発の衝撃でおよそ1600人以上が重軽傷を負い、約4500棟の建物が被害を受けた。
チェリャビンスク州の隕石落下/Credit:ja.wikipedia
この周期を考慮すると、今後60年以内にチェリャビンスクと同じかそれ以上の隕石が衝突する可能性がきわめて高いのだ。
同氏も「地球の防衛対策は、NASAが行なっている他の宇宙ミッションと同じく必要不可欠なものだ」と指摘している。
NASAは現在、地球周辺にある小惑星の90%をトラッキングしており、探索作業では459フィート以上(直径140m)の小惑星をターゲットにしている。
これは衝突すれば地球に甚大な被害を与えるのに十分なサイズだ。
その防衛対策として現在、小惑星めがけて直径2.4mの「キネティック・インパクター(kinetic impactor)」を高速でぶつけ、軌道を変えるという計画が進行中だ。
これを「DART計画(Double Asteroid Redirection Test=二重小惑星進路変更テスト)」という。
「DART計画」の手順/Credit:mirror
ターゲットとなる小惑星は双子連星の「ディディモス」で、大きい方が直径800m、小さい方が直径160mとなっている。計画では、この小さい方に向けてインパクターを衝突させる予定だ。
「DART計画」は2021年にカリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地よりファルコン9ロケットを発射させ、2022年10月に小惑星ディディモスに到達する予定となっている。
ブライデンズティーン長官は最後に「恐竜たちは隕石衝突に対して準備する力がなかったが、私たちにはそれがある。今こそ、その力を発揮するときなのだ」と話した。
もう『アルマゲドン』も『君の名は。』も絵空ごとでは済まされないようだ。
Point
■フランスのIMT Atlantiqueが、コンタクトレンズにマイクロバッテリーを搭載することに成功
■そのコンタクトレンズは視野の拡大はもちろん、視覚情報をワイヤレスで送信することができる
■今年中にはアメリカのDARPAと提携して、軍事目的に改良する予定
トム・クルーズ、呼んでくる?
今月中旬、IMT Atlantique(フランス・エンジニアスクール)の研究チームは、マイクロバッテリーを搭載したコンタクトレンズの開発に成功したと発表した。
このコンタクトは視覚情報をスキャンし、ワイヤレスで送信することができる。
またアメリカの「国防高等研究計画局(DARPA)」が非常に興味を寄せており、今年中にはIMTと提携して軍事目的に改良する試験を行うとのこと。
まさに『ミッション・インポッシブル』の世界だ。
このレンズは外部電源が無くても動く。
LEDライトを内蔵しているが、外部からの電力供給がなくとも数時間継続して使用することができるのだ。いつでもマイティ・ソーごっこができる。
Credit:The lens (IMT Atlantique)
機能面も特筆すべきところだ。
IMTは当初外科手術やドライバーの視力アシストを目的としており、視野の拡大なども可能。さらには、レンズを通して得られた視覚情報をワイヤレスで送信することもできる。
これは『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に登場したものと瓜二つだ。
劇中のレンズは、核爆弾のコードが記載された極秘情報をコンタクトでスキャンして、瞬きすると撮影できるといういかにもスパイ御用達の優れものだった。
それに極めて近いものが実現したのだから驚きである。
IMTの発表にいち早く反応したのが「DARPA」だ。DARPAも長年の間、視覚能力を向上させるコンタクトレンズの開発に取り組んでいる。
2012年にInnovega社と共同で開発した「iOptik」は、特殊なメガネと連動させることで2つの対象に同時に焦点を当てることができた。
Credit:Innovega’s iOptiks lens (DARPA)
その3年後にはスイス・EPFLとの共同開発で「瞬きで対象を拡大できるレンズ」も開発していたが、これはエイジングに伴う視力低下の補助を目的としており、どちらも軍事目的ではなかったようだ。Credit:École Polytechnique Fédérale de Lausanne
そこでDARPAはIMTと提携して、軍事目的のコンタクトレンズを開発すると発表した。
これにはソフトウェア会社「マイクロソフト」も参加する予定で、すでに同社による200万ユーロ(約2億5千万円)の投資が決定している。
IMTの主任研究員ジャン=ルイ・ブルネ氏も「今年10月にはMicrosoftのHoloLensとコンタクトレンズとの連動作業を行い、2020年には実用試験を開始する」と話す。
スパイ顔負けのコンタクトレンズが近々誕生しそうだ。
「HoloLens」の性能はこちらを参照。
その正体はいかに?
スペインのカナリア天体物理研究所(IAC)によると、地球から9450光年離れたハロー(天の川銀河を球状に取り巻く部分)に、炭素や鉄元素をほぼ含まない恒星が発見されたそうです。
その星は非常に古く小さな星で、「J0023+0307」と名前がつけられました。しかし天文学者たちは、口をそろえて「存在するはずがない」と戸惑っているようです。果たしてどういうことなのでしょうか?
研究の詳細は、4月2日付けで「The Astrophysical Journal Letters」に掲載されています。
発見された恒星には、いくつかの奇妙な特徴があります。まず、この星はこれまでに見つかっている恒星の中で最も金属量が少ないということです。「J0023+0307」の金属量は、太陽に含まれる金属量の1000分の1以下なんだそう。ちなみに太陽の9割は水素とヘリウムで、金属量は鉄と炭素を合わせても全体の0.5%にも達しません。
Credit:pixabay
その代わりこの恒星は、専門家も驚くほど大量のリチウムを含んでいることがわかっています。「鉄や炭素がほぼなくて、リチウムが満載」これが大きな特徴です。
それからこの星が誕生したのは、ビッグバンのおよそ3億年ほど後のことだとわかっています。その時期は宇宙で初めて形成された、いわゆる「第一世代」の恒星たちが寿命を終え始めたちょうど後のこと。つまり「J0023+0307」は「第二世代」に属するというわけですね。
この「第一世代」と「第二世代」について少し説明しておきましょう。
138億年前に宇宙が誕生したとき、ビッグバンに引き続いて生じたのが中性子や陽子などが集まった原始的な海です。その間に元素合成が生じて、水素やヘリウム、そして少量ながらもリチウムがつくられていきます。つまり、リチウムは宇宙最初期につくられた3元素の内の1つというわけです。
これら比較的軽い元素が寄り集まって初めて恒星が出来上がります。これが「第一世代」に当たる星たちですね。そして鉄や炭素などもっと重い元素は、この第一世代となる恒星の内部で誕生しました。
Credit:pixabay
第一世代が寿命を終えると、内側にあった金属性の重い元素が宇宙空間に飛び出していって、新しく形成される星たちの中に取り込まれるんです。これが「第二世代」の星です。ということは、第二世代以降の星には、必然的に鉄や炭素が含まれるということでしょう。
すると「J0023+0307」の奇妙さがわかりますね。つまりこの星は「第一世代の特徴を持っていながら、第二世代の時代に生まれている」わけなんです。
この星についてケンブリッジ大学の天文学者であるデイヴィッド・アグアド氏は「宇宙初期に誕生したリチウムをそのまま含んでいるかもしれない」と話します。
というのもリチウムは、星が水素融合反応を起こす250万ケルビン(熱力学温度)に達すると崩壊して消えていきます。そして同時に「J0023+0307」のように、金属量に乏しい恒星ー「EMPs(extremely metal-poor stars)」と呼ばれるーがそのような高い温度に達することはないんだそう。
それからアグアド氏は「大きな恒星になると内側より冷えた大気表面にリチウムを含むことができますが、小さな星がリチウムを含むことは考えられない」とも説明しています。
Credit:pixabay
つまり小さくて、年齢も古く、金属量の乏しい「J0023+0307」が含むリチウムは、宇宙初期につくられたリチウムそのままのものである可能性が非常に高いというわけなんです。
とはいえ、炭素も微量ながら含まれているので第一世代でないことは確か。第二世代とのハーフかも?謎は深まるばかりです。この星を調べることで、宇宙初期の成り立ちの秘密に触れられるかもしれませんね。
reference: sciencealert, phys.org / written & text by くらのすけ
近年、科学技術の発達により様々なロボットが登場している。
以前、ViRATESでは『うますぎだろ!リズム感バッチリの4足歩行ロボットの軽快なダンスが素晴らしい』をご紹介しました。
今回ご紹介するロボットは、シート状のヒレを波打たせることで推進するロボット『Velox』だ。早速こちらをご覧いただこう!
画像出典:YouTube(Pliant Energy Systems)
画像出典:YouTube(Pliant Energy Systems)
画像出典:YouTube(Pliant Energy Systems)
Veloxは、ニューヨークのブルックリンに本拠を置くエンジニアリング企業Pliant Energy Systemsが開発したロボット。
少ないエネルギーで流体を流すエンジニアリングノウハウを開発したのだ!
氷の上をウネウネと動いたり、水中の中でも自由自在に動くVelox。
胴体とヒレは、10個もの連結部で繋がっており、プロペラの代わりに柔軟に動くシートを使用しているそうだ。
製作者は海洋生物学などの知識を元に動きを研究し、このロボットを開発したそう。
水中で動いている姿は、アカエイやウミウシが泳いでいるようにも見える。
将来的には海岸などで待機している機体に物資を届けたりなどの活用法が想定されているそう。
まるで新しい生き物のようなVeloxの活躍が待ち遠しい!
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)
宇宙旅行ビジネスに挑戦するヴァージン・ギャラクティック社が、有人宇宙船「スペースシップ・ツー」の宇宙空間の試験飛行を成功させ、商用化に向けた大きな一歩を踏み出しました。
高度「82.7キロメートル」にまで届く高さでの飛行を続けたスペースシップ・ツーですが、そこには1つだけ問題がありました。それは、果たしてその高さは「宇宙空間」と呼べるのか?といった問題です。
そもそも、地球と宇宙の「境目」とはいったいどこにあるのでしょうか。そこには、国際航空連盟が定めた一応の境界が存在しています。「カーマン・ライン」と呼ばれるその境界は「海抜高度100キロメートル」に引かれた仮想のラインであり、スペースシップ・ツーはその高さに達していなかった(82.7キロメートル)ために、これが議論を呼ぶきっかけとなりました。
ハーバード大学の天体物理学者ジョナサン・マクドウェル氏は、昨年自らの論文において「カーマン・ラインの再定義」を提唱した人物です。彼は、「カーマン・ラインが『100』といった数字を用いているのは単に切りがいいからであり、そこに物理学的な正当性は何もありません」と語り、100キロメートルといった数字の適当さを指摘しています。
マクドウェル氏は、その再定義のために「2つのアプローチ」を試みています。彼はまず、過去60年間の9,000万にも及ぶ宇宙飛行の軌道データを調べ、円軌道と楕円軌道の両方における「最も低い高度」を探しました。その結果、円軌道においてはおよそ「120キロメートル」、楕円軌道においてはおよそ「80キロメートル」といった数字がそれらの「最も低い高度」としてはじき出されました。
さらにマクドウェル氏は、「人工衛星の状態」といった観点からもアプローチをかけています。人工衛星には「3つの状態」があります。当然ですが、それは「地球の大気圏に打ち上げられた状態」、「宇宙でキャノンボールのように高速で動いている状態」そして「その間の状態」です。そこで彼は、人工衛星がどの高度においてその状態を変えるか、すなわち「宇宙の軌道における力」が「空気力学的な力」を上回るポイントを計算したのです。その結果、そのポイントは「70-90キロメートル付近」に存在していることが分かりました。
そして、それらの理論を総合させてマクドウェル氏が出した結論は、「カーマン・ラインは高度100キロメートルよりも80キロメートルが妥当である」といったものです。
マクドウェル氏の主張により定義の変更が行われたわけではありませんが、彼の主張は一定の説得力を持つものであり、その定義によれば高度「82.7キロメートル」を飛行したスペースシップ・ツーは、見事「宇宙空間」を旅したことになります。
マクドウェル氏の功績により、文字通り宇宙がさらに「身近なもの」となる可能性があります。もちろん一度決まったものを変えることは容易ではありませんが、境界線を変えるだけで「宇宙旅行に行った」と言える人が増えるのであれば、その変更には賛成の意を示したいものです。
一体どこからが宇宙なの? 地球と宇宙の「境目」論争が勃発!