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隕石落下で死亡した人の最古の記録 /iStock
これまで、隕石落下に巻き込まれた人の記録で最も古いとされていたのが、1954年、アメリカ・アラバマ州でのケースだった。隕石は、民家の屋根を突き抜け、カウチに座って昼寝をしていたアン・エリザベス・ホッジス夫人(当時34歳)を直撃し、左太腿を負傷したものの幸い命に別状はなかった。
ところが最近、トルコの国家文書局の職員が、1888年、イラクのスレイマニヤで隕石が落下による死亡事故があったという記録を発見した。
これは、かなり信憑性の高い歴史的記述で、もし本当なら、世界最古の隕石落下による死亡事故案件だという。
隕石の落下により1人が死亡、1人が重傷
『Meteoritics & Planetary Science』誌に発表された記事によると、1888年8月22日、宇宙
から落ちてきた隕石が墜落し、その衝撃で男性ひとりが死亡、もうひとりが重傷を負って体に麻痺が残ったという。
隕石に当たって死んだと言われる人の話は、聖書の時代にさかのぼっていろいろあるが、歴史家が納得するような、しっかりした文書として残されているものは何もなかったという。
だが今回発見された記録の信憑性は100%とはいかないまでも、かなり高い方のようだ。
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隕石による死と損害の最初の記録として歴史に追加される可能性
事件が起こった当時の地元の役人が書いた3つの文書のうちのひとつには、この隕石はおよそ10分間にわたって、地球に次々落ちてきたもののひとつで、人を傷つけただけでなく、作物や畑にも損害を与えたとある。
近くの町の上空で爆発した燃えるような火の玉が目撃されているため、隕石は南東からスレイマニーヤに近づいてきたことがわかるという。
この現象は、スレイマーニーヤの知事から、当時のオスマン帝国第34代スルタンのアブドュルハミト二世に報告されたという。
文書のひとつには、隕石のサンプルが添付されていると書いてあったが、見つかっていない。研究チームは、この発見は隕石による死と損害の最初の記録として歴史に追加される可能性があると言っている。
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隕石落下による人間の負傷事故の証明の難しさ
最近の例では2016年、インドでバスの運転手が大学のキャンパスを直撃した隕石らしきもののせいで死んだと報道された。
だが当時、流星群のような現象は観測されておらず、予報もなかった。NASAの専門家が証拠とされている写真をつぶさに調べたところ、これは隕石落下ではなく、地上でのなんらかの爆発によるものだと結論づけた。
地球上のあらゆる場所に落ちてきた隕石は、流星などとは区別され、『国際彗星四季報(International Comet Quarterly)』で管理されリストアップされている。このリストの中には、間接的に怪我を負った人や、家畜の死亡、建物の破壊などのケースも含まれている。
隕石が直撃したレアケース
だが、アラバマ州のアン・エリザベス・ホッジス夫人のケースはちょっと違う。1954年11月30日、アンが自宅の長椅子で昼寝をしていたときに、重さおよそ4キロの隕石が家の天井を直撃した。
この450億年前の岩はアンの左足に当たり、大きな打撲の跡を残した。このとき砕け散った隕石の破片は、スミソニアン自然史博物館に保管されている。
不運な場所に、不運なタイミングで正確に居合わせる確率はほぼゼロに近いため、この事件は注目すべき例といえよう。
「竜巻や雷、ハリケーンに同時に直撃される確率のほうがまだ高い」フロリダ州立大学の天文学者マイケル・レイノルズは言う。
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52290432.html
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