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【独占試乗】「日産GT-R NISMO」20年モデル日本仕様を全開! 衝撃の進化っぷりとは

注目のカーボンブレーキは従来品ではなく完全新設計!

発売から12年目に入り、さらなる「深化」を遂げた日産自動車のR35型「NISSAN GT-R」2020年モデル(以下MY20)。先日リポートした「GT-R Premium edithion」の公道試乗に続き、日本国内初となる「GT-R NISMO」のサーキットインプレッションにも成功! スーパーGTをはじめ、世界中の各カテゴリーで活躍しているレースマシン「NISSAN GT-R NISMO GT3」のDNAを受け継いだGT-Rのフラッグシップモデル、その走りを全開で試す!

 2019年4月17日にMY20として発表された3つのGT-R。ひとつは基準車となる「GT-R Pure edition/Black edition/Premium edition」、もうひとつはGT-R生誕50周年を記念した期間限定販売の「GT-R 50th Anniversary」(ベースはPremium edition)。そして、3つ目がMY20の真打ちと言っていい「GT-R NISMO」である。

GT-R

 2007年にデビューしたR35型GT-Rは、「いつでも」「どこでも」「誰でも」その超絶性能を味わうことができるマルチパフォーマンススーパーカーを標榜していた。それゆえ、基準車は街乗りからサーキット(世界一過酷なドイツのニュルブルクリンクを含む)まですべてをカバーすべく開発されたのだ。GT-R

 しかし、2013年4月1日にGT-Rの開発チームが一新されたことで、MY14以降は「GT」と「R」というふたつのベクトルを追い求めたモデルが個別に用意されることになった。前者は文字どおり「グランドツーリングカー」としての上質な乗り心地を持たせた基準車、後者が「レーシング」の領域、すなわち速さを徹底的に磨いたNISMOである。GT-R

 レースマシン譲りの本格的なエアロを纏ったNISMOは、外観のみならず専用エンジンも与えられ「最高出力:600馬力/最大トルク:652N・m」と、国産スポーツとしては最高峰のスペックが与えられている。また、専用接着剤を用いたボンディングでボディ本体を強化するなど、基準車のGT-Rに対して大幅なポテンシャルアップが図られた特別なモデルという位置付けだ。GT-R

 GT-R NISMOはこれまで、MY14/MY17/MY18と進化してきたが、今回発表されたMY20で特筆すべきは、軽くて強い「ドライカーボン」の使用部位を、従来モデルに比べて拡大した点である。

 もともと、前後バンパーやトランクリッド、リヤスポイラー、サイドステップなどにカーボンを用いていたが、MY20ではこれらに加え、フロントフェンダー/エンジンフード/ルーフパネルまでもカーボン化。もはや、外板面積はカーボンの比率のほうが高いのでは?(ドアはアルミ製、フロントピラーおよびリヤクオーターは鋼板)というほどに気合いが入っている。なお、各部のカーボン化により、ボディ上屋は合計で約10.5kgの軽量化を実現しているという。「たかが10kg?」と侮るべからず。その効果に関しては後述しよう。

GT-R

 さらに、MY20のNISMOのトピックと言えるのが「カーボンセラミックブレーキ」の標準装備。かつて、R35の軽量バージョンである「スペックV」にも同様のカーボンブレーキが装備されていたが(のちにエゴイストやプレミアムエディションにもオプション設定された)、今回のブレーキシステムはGT-R NISMO用に新規開発されたモノで、ローターをカーボンセラミックとするのみならず、ブレーキキャリパーも専用の大型タイプに置き換えられる。GT-R

 ちなみに、ブレーキローター径はフロント=410φ/リヤ=390φという世界最大級のサイズを採用(基準車は380φ/370φのスチール製)。NISMO専用となる新デザインのRAYS社製20インチ9本スポークホイールから覗くその姿は、まさに「パツパツ」状態! スポークの裏やリム内側とのクリアランスは、メーカー純正ブレーキとしては異例なほどに「攻めて」いる。GT-R

 大型化されたキャリパーは若干重量が増したというが、カーボンセラミックローターおよび新ホイールの採用で、従来モデルよりもバネ下重量は16.4kgも軽くなっているそうだ。一般的にバネ下1kgの軽量化はバネ上換算で10kgのマイナスに等しいという説があるだけに、運動性能に及ぼす影響は言わずもがな、であろう。


ウエット路面を忘れさせる圧倒的パフォーマンスを披露

 軽量化+強力なブレーキシステムの導入こそが、GT-R NISMOの走りをさらなる領域に高める。R35GT-Rの統括責任者である日産自動車の田村宏志さんは、新しいNISMOに関して「パワーを上げずとも、トータルバランスを高めることでクルマの走りはガラリと変わります。全開でぜひその性能を試してみてください」と自信満々に語ってくれた。そう、筆者はまだ正式発売前のGT-R NISMO MY20にサーキットで試乗する特別なチャンスを得たのだ。試乗ステージは北海道東部の雄大な平野に位置する「十勝スピードウェイ」。生憎のウエットコンディションとなったが、思う存分新しいNISMOの走りを堪能することができた。GT-R

 十勝を走るのは10数年ぶりということもあり、1周目はゆっくりとコースに慣れることに徹することにした。トランスミッションはM(マニュアル)ではなくA(オートマチック)のRモードを選択。サスペンション/VDC-Rのスイッチも同様にRモードにセットしてコースイン。ピットアウトする際、サスペンションが低速でもしっかりと動くことがわかる。ダンパーの減衰力がもっともハード側に固定されるRモードにも関わらず、である。

 軽く加速したあと、1コーナーのかなり手前でブレーキを「試し踏み」してみたところ、これまでGT-Rでは味わったことない、地面にグイッと食い込むような減速感に襲われる。もはや全開にするまでもなく、MY20のNISMOが従来モデルとは別物であることを悟ってしまった。

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 ウォームアップランを終えると、翌周からは自然とペースがアップ。ピットアウト直後のファーストコンタクトで、そのポテンシャルの高さを即座に感じることができたからだ。ブレーキが利くクルマほど安心なモノはない。加えて、R32型以降のGT-Rの伝家の宝刀とも言えるアテーサE-TSのトルクスプリット4WDも、ウエットコンディションでの恐怖心を確実に和らげてくれる。試乗前は「雨か……」と思っていたが、逆にウエットだからこそ新しいGT-R NISMOの進化がリアルに伝わってきたと言えよう。GT-R


 3周目以降はマージンを残しつつ、ある程度限界まで攻め込んだ走りを試してみた。従来モデルのハンドリングも重量級のハイパワー車としてはクイックだったが、MY20はさらに輪を掛けて「曲がる」クルマに変貌。ステアリングを切り込んだ瞬間からリニアにノーズがインを向き、コーナリング中は4輪がしっかりと接地して路面を掴む、そして立ち上がりでは4WDのトラクションを生かしてグイグイ加速。これまで、雨のサーキット走行が楽しいと感じられることはあまりなかったが、今回は違う。

 そしてもうひとつ忘れてはいけないのは、その楽しいコーナリングの手前にある「減速」だ。カーボンセラミックブレーキはペダルの初期から奥まで制動コントロール性の幅が広く、ABSが介入してもしっかりとした減速感が伴う。ペダルに伝わってくるABSの反力も決して大げさではない。カーボンセラミックおよび大径化というマテリアルに起因するものだけではなく、ABSの制御の緻密さと精緻さもそこから感じ取ることができる。

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 また、摩擦μの低いウエットにも関わらず、フルブレーキング時の減速Gも相当なモノで、これがドライ路面だったら「どれだけ止まるの?」と思わずにはいられない。機会があればぜひもう一度サーキットで試してみたい。そう思わせるほどのキャパシティを持っているブレーキだ。

 どうしてもインパクトの高いブレーキに目が行きがちだが、今回感じたポテンシャルは軽量化されたボディ上屋に起因する軽い身のこなしやサスペンションのリセッティング(バネ/ダンパーともに仕様を変更)、そしてトレッドパターンやコンパウンドに留まらず、構造まですべてを見直したというNISMO専用のランフラットタイヤ(ダンロップ製)によるところも大きいと思われる。

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 仮にその内のどれかひとつでも性能的に欠けていたら、とてもじゃないがウエットのサーキットをここまで安心して走ることはできない。つまり、これこそ田村宏志さんが言っていた「トータルバランス」の成せる業、ということなのだろう。

「速さの追求」=「パワーアップ」という手段だけにあらず。GT-R NISMO MY20の速さは、絶大な安心感と高バランスの上に成り立っていることを実感できる試乗であった。気になるGT-R NISMO MY20の正式発売は2019年10月予定とのこと。なお、GT-R NISMOおよび基準車のMY20のインプレッションに関しては、2019年8月1日発売予定の「GT-R Magazine」でさらに詳しくリポートする予定だ。

GT-R
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(出典 news.nicovideo.jp)