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◆低回転域の太いトルクと伸びのある高回転域のパンチ力を両立

2010年にデビューしたドゥカティ『ディアベル』は、アメリカンマッスルカーをイメージしたロー&ロングな車体に、ドゥカティ伝統のL型2気筒エンジンを搭載したマシン。ハイパークルーザーやハイパフォーマンスクルーザーなどと称されていたが、じつはビッグネイキッドというカテゴリーで評価すべきバイクではないか。それが新しくなった『ディアベル1260S』の試乗を終えた時の印象だった。



エンジンは前モデルから排気量を拡大するとともに、低回転域と高回転域で、吸排気のバルブ開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミングエンジン、テスタストレッタDVT(ドゥカティ・バリアブル・タイミング)エンジンを搭載。それによって一般的なバルブ開閉タイミングのエンジンでは実現が難しい、強力でありながら扱いやすい低回転域の太いトルクと、伸びのある高回転域とそこでのパンチ力という、2つのエンジンキャラクターを両立している。

低回転域の太いトルクはまさにクルーザー的だが、高回転域の伸びやパワフルさはドゥカティそのものであり、その扱いやすさと軽快さの両立は、まさにビッグネイキッド的である。

◆フレームやスイングアームなど車体の基本骨格を一新

またフレームやスイングアームといった車体の基本骨格も一新した。新たにエンジンをフレームの一部として使用することで、トレリス形状のフレームセクションを簡素化。エンジンからステアリングヘッドに伸びる、短いフロントフレームのみとした。

片持ち式のスイングアームや、240サイズという極太リアタイヤは前モデルから受け継がれているものの、スイングアームの素材はトレリス形状のスチール鋼管から、より高剛性なアルミ製へと変更。リアサスペンションの装着位置もスイングアーム下から上へと変更。リアタイヤが上下に可動する範囲、ホイールトラベルも広げられている。

◆エンジンの後退で前後の重量バランスが向上

さらには発熱量が増えた新型エンジンを搭載しながら、今まで以上の耐久性とメンテナンスサイクルの延長を求めたため、より冷却効率が高くなるエンジン前側に冷却装置であるラジエターを移動。それにより、エンジン搭載位置も40mm後退した。そして、このエンジンの後退がディアベル1260Sの乗り味を前モデルから大きく変化させ、さらにはビッグネイキッド的乗り味へと進化させた要因だと言える。

エンジンの後退は、もっとも重いパーツが、シートに座ってマシンを操るライダーに近づいたことになる。それによりディアベル1260Sの前後重量バランスは限りなく50対50であるという。このライダーに近い重心と重量バランスの良さは、試乗の舞台となったワインディングでも大いに助けになった。

コーナーの奥を探りながら走る初見のワインディングでは、コーナー途中で減速や加速をしたり、車体をさらに寝かしたり起こしたりしながら、走行ラインの変更や調整も行う。そんなときステップワークや体重移動だけでマシンをコントロールしやすいからだ。ペースを上げて行っても変わらない安定感と程良いスポーツ感覚は、スポーティなフロント周りの車体設計と、よく動く前後サスペンションのセッティングも大きく影響している。そこそこのペースで走るスーパースポーツなら、十分について行けるほどのポテンシャルを持っている。

ツーリングを楽しみながら、ときには過激に走りたい。新型エンジンとシャシーを手に入れたディアベル1260Sなら、そんなライダーの欲求をいとも容易く実現してくれるだろう。ドゥカティ・ワールドへの入口としても、お薦めできる。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

河野正士|フリーライター&エディター
1968 年、高知県生まれ。二輪専門誌の編集部に在籍した後、フリーランスとして二輪専門誌やファッション誌、情報誌で二輪関係の記事制作に携わる。現在は雑誌やデジタルコンテンツのライター&エディターとして活動するほか、映像を含めたさまざまなコンテンツ制作にも携わっている。ヨーロッパで開催されるモーターサイクルショーやバイクイベントに通い、その最新情報やトレンドを常にウォッチしている
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(出典 news.nicovideo.jp)