【メルセデスベンツ 新型Gクラス】

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今回は、私のバックグラウンドやこれまでの所有経験などを前面に押し出し、独断と偏見を大いに織り交ぜながら新しい車をよりユーザ目線で語ってみようというコーナー。表面上のスペックや新技術の解説ではなく、もっと本当に使ってみた上で進化を見極めます。文/写真・山里真元
新型Gクラスの誕生
メルセデス Gクラス(山里撮影)
自動車界の巨人メルセデス・ベンツが、その質実剛健気質を最も色濃く反映したモデル、Gクラス。NATO軍への供給を目的に開発され、それがやがては世界中のセレブの間で大流行…などの歴史はWikiでもたくさん語られているのでここでは割愛させていただきます。

とにかく2017年に約40年ぶりにめでたくフルモデルチェンジを迎えました。一見すると外観こそキープコンセプトで代り映えしないように見えますが、中身はもの凄い変わりようです。どれくらい変わったのか?変わった結果どうなのか?もっと実際に世のユーザが気になっているであろうことをユーザにより近い視点を補いながらお話します。

今回の企画、じつは助っ人を呼んであります。何を隠そう私自身Gクラスを所有したことがありません。近いセグメントで言えば、ハマー H2やポルシェ カイエンの所有歴しかなく、厳密に言うとどちらもGクラスとは程遠い存在です。

やはり車は所有してみなきゃわからないということで、旧型Gクラスに乗っていた経験を持つ3人の友人にも新型に乗ってみてもらいました。そこで得られた生の声もお届けしたいと思います。

今回対象としたのは、ベースグレードと言いながらも4リッターV8ツインターボという豪華なエンジンを搭載するG550で、AMGライン付きモデルです。

新型Gクラスのボディデザインは?

まず、新型Gクラスのデザインは、ヘッドライトが少々可愛くなったもののそれ以外はほとんど変化なし。Gクラスにおいて重要なアイデンティティを象徴する「ドアハンドル」、「スペアタイヤカバー」などが旧型から引き継がれています。

ボディサイズは、「とにかく大きくなったな!」の一言。旧型と比べてみると、全長4,817mm(+53mm)、全幅1,931mm(+64mm)と拡大。これまでは、同セグメントにしては非常にコンパクトで、日本、特に都心部での使い勝手がよかっただけに少々残念ではあります。

しかし、前席レッグルームが従来型比+38mm、後席レッグルームが従来型比+150mmと、室内空間や居住性に関しては大幅に向上しています。実際に後部座席に乗り込んでみても、大型セダンのSクラスと遜色ないほどの広さといって差し支えないでしょう。むしろ、車幅が広くデザイン上壁が垂直に起き上がっているだけに、空間としてはセダン以上の広がりを感じます。

さっそく試乗してみた!
メルセデス Gクラス(山里撮影)
約1週間に渡って自分の日常の足としてあらゆる場所に連れて行きました。その結果得られた感想(旧型オーナーの友人達の感想を含む)は、とにかく運転が楽!

旧型でネガティブだった各種操作系の重さやステアリングのもっさり感、スピードを上げたときの盛大な風切り音、車体の重さなど全てが大幅に改善されており、すでにデメリットはなくなっています。

それでいて、旧来からのGクラスらしさは薄れることなく明確に感じることができるので、新型にありがちな「楽でいいけど、らしさがないから選ぶ意味がなくなった」なんて心配は皆無です。旧型オーナーはサイズさえ許すなら乗り換えをお勧めできます。

技術的な裏付けを言うと、フロントサスペンションのダブルウィッシュボーン化による路面に対する追従性の改善や、ステアリングがボール&ナット式からラック&ピニオン式になったことによるレスポンスや中立付近での応答性の改善、さらにフロントガラスが平面から若干湾曲したことによる空力特性の向上など、多岐に渡ります。

Gクラスの"らしさ"を損なうことなく、これらを改善するには、相当な苦労があったことは容易に想像がつきます。

また、車の走りを語る上で、音も外せない要素です。AMGかと間違うほどの盛大なドロドロサウンドが、野太いサイド出しマフラーから鳴り響きます。これが本当に気持ちいい!

そして、スポーツモードに入れればターボとは思えないほどのレスポンスであっと言う間にレッドゾーン付近へ、この間もこのドロドロサウンドの波長が回転と共にどんどん短くなっていき、音の粒が揃っていきます。その様相はまるでアメリカ製スポーツカーかと間違えるほど。もちろんいい意味です。

気になる燃費はどうか?

旧型オーナーなら、Gクラスの燃費に関しては諦めていることと思いますが、新型ではもちろん改善されています。アクセルを踏みすぎることなく普通の走行状況で都内一般道だと4.5km/L、高速道路だと少し混雑している状態で6.5km/Lといったところです。

これに関しては、前走車の有無や平均速度などによっても変わってくると思われます。旧型に比べると幾分かはまともな数値になってきたのではないでしょうか。

様々なシーンで実際に使ってみた

所有すれば想定される様々なシーンで実際に使ってみました。

メルセデス Gクラス(山里撮影)
メルセデス Gクラス(山里撮影)

都内のタワーマンションの機械式駐車場をいくつか試してみました。結果からいうと、数値上、入るはずがないと思われた駐車場でも案外あっさり入ってしまいました。これは、2017年6月のタイヤのはみ出しに関する保安基準改正後に発売された車としては、珍しいほどタイヤがフェンダーに対してインセットしているおかげだと思われます。

もし、欲しいけどどうせ車庫に入らないと諦めている方は、ぜひ一度試してみることをお勧めします。画像からもわかる通り、ギリギリだったとしてもタイヤの方がホイールより張り出しているためホイールを擦る心配はありません。

メルセデス Gクラス(山里撮影)
残念なことに、ラゲッジスペースが旧型に比べると少し狭くなっているようです。旧型の圧倒的な広さ2250Lからどれくらい減ったのかは、新型の数値が未発表なだけに正確にはわかりませんが、明らかにホイールハウスの膨らみが大きくなり、その分だけ減っている気がします。それでも、フルサイズのキャディバックが後部座席を全く犠牲にすることなく楽に4つは入るでしょう。

改善すべき点はある?

ここまでほとんどがいい点として映っていますが、ちょっと改善してほしいなと思うことも数は少ないながらもあります。

メルセデス Gクラス(山里撮影)

旧型でもそうでしたが、半ドア率が半端ないです。これは、Gクラスらしさとして認識されているドアを閉める際の例の「ガチャ」という音を残すために、原始的なドアロック機構を備えているためです。

新型Gクラスは車体が軽量化されており、ドアも例外なくアルミを使用した軽量なものを採用した結果、かなりの力で最後まで押し込まないと半ドアになってしまうという弊害が発生。初めて閉める方は必ず半ドアになると言っても過言ではありません。
メルセデス Gクラス(山里撮影)

旧型Gクラスに乗っていた方のほとんどが、バックカメラに不満をお持ちだったのではないでしょうか?そうです、あの大きな大きなスペアタイヤカバーのせいでカメラの視界がほとんど奪われてしまっていました。

新型では改善され、バックカメラがスペアタイヤカバーの下に着いたのです。改善されてよくなったのならなぜ要改善にあげたのかって?それは、視界的には改善されたのですが、今度はモニターにスペアタイヤカバーが映らないせいで、ギリギリまで下がると先にスペアタイヤカバーが壁にあたってしまうようになったのです。スペアタイヤカバーにかなりの奥行があるだけにこれは相当危険です。

とはいうものの360度カメラも備わっていますので、バックカメラの画面だけをみてぶつけてしまうという確率は相当低いとは思われます。

まとめ

近年のSUV全盛におけるGクラスの優位性、それはやはり軍事利用という明快な用途に対応するために生み出されたという本質と、そこからくる究極の本物志向にあるのだと思います。それはやはり、どこかマーケティング先行で生み出されがちな近年のSUVとは一線を画す存在感としてあらわれています。

今回の新型Gクラスもメーカーがフルモデルチェンジとは言わず改良と表現している通り、時代に応じた一部の進化であって、核心となるコンセプトはその外観同様で何一つ変わっていません。そのことが使うたびに随所から感じ取れて、思わず安心して嬉しくなってしまいました。

約40年間、これだけ時代が変わっても変わらずにいることが認められる大変稀有な存在なのかもしれません。
<動画・CM>

(出典 Youtube)

(出典 news.nicovideo.jp)