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 このところ話題になっている「空飛ぶ車」。1920年代からあった「飛行機にもなる自動車」のことではなく、パイロットのいらない小さな航空機「空のパーソナルモビリティ」のことを指しています。ベンチャー企業だけでなく、大手航空機メーカーも実用化に向けて研究開発を進めていますが、2019年1月22日(アメリカ東部時間)、ボーイングがバージニア州マナサスの施設で、そのプロトタイプの初飛行に成功しました。

 ボーイングが今回初飛行に成功したと発表したのは、「空の乗りもの」という意味を持つ「パッセンジャー・エア・ビークル(PAV)」のプロトタイプ。パイロットを必要とせず、自動制御で飛ぶ航空機です。設計と開発には、ボーイングの関連会社であるオーロラ・フライト・サイエンシズが、協力。オーロラ・フライト・サイエンシズは豊富な無人機開発経験があります。

 PAVのプロトタイプは、全長30フィート(9.14m)、全幅28フィート(8.53m)の大きさを持つ2人乗りの電動航空機。浮上用に8つのプロペラ(2翅)を持ち、機体後部に推進用のプロペラ(5翅)を持っています。胴体には翼端にウイングレットを持つ短めの主翼も装備し、後方には水平安定板と、その両端に方向舵のついた垂直安定板もあり、飛行中の姿勢制御が可能です。航続距離は50マイル(80.47km)と控えめな値ですが、道路の交通渋滞に巻き込まれることなく都市空間を移動する手段を想定しているため、十分なものだといえます。


 N83AUというアメリカ連邦航空局(FAA)の登録記号を持つこの機体は、自動制御で離陸してホバリングし、さらに前方への飛行モードに移行。そして垂直着陸をして初飛行テストを終えました。ボーイングのチーフ・テクノロジー・オフィサーを務めるグレッグ・ヒソップ氏は「コンセプトデザインから飛行可能なプロトタイプまで1年かかりました」と語り、「ボーイングの創造力と技術力は、航空の世界において世界で最も安全な輸送手段を提供してきました。そしてこの新しい移動手段においても、安全かつ創造力に富んだ的確なアプローチをし続けます」と、この初飛行の意義についても言及しています。


 このPAVは、ボーイングが未来における空の交通手段を構想した「ボーイング・ネクスト(Boeing NeXt)」という計画の一部にすぎません。このほかにも、無人制御で荷物を空中搬送する「カーゴ・エア・ビークル(CAV)」という航空機も開発中。こちらは最大500ポンド(226.8kg)の貨物を、近郊地域や近距離の都市間で配送するシステムで、すでに屋内での飛行試験を2018年に終了。2019年には屋外での飛行・配送試験を計画しています。

 ボーイング・ネクスト計画統括副社長のスティーブ・ノードランド氏は「ボーイングは航空機製造会社として誕生し、次の100年では都市空間における空の移動手段を切り開いていきます。航空機を作って空へと送り出し、将来の都市やその近郊地域におけるストレスの少ない移動手段を提供していきます」と、この計画の将来について語っています。

Image:Boeing

(咲村珠樹)

(出典 news.nicovideo.jp)